医学部とお金と可能性

私の知り合いのMは、先日とあるセミナーに参加したそうです。その時の話を少しだけさせてください。

「医師になりたい」と子どもが言い出したら、その時、親はどうしますか?という議題につられて、先日、Mはとあるセミナーに行ってきました。セミナーの内容は、「子どもの可能性を知らず知らずに潰していませんか?」というテーマだったのですが、なるほど確かに、我が子が医者になるはずはないと思いこんでいました。そういった親の考え方は、知れず知れず、子どもに伝染して、子どもは医者にはならない道を考えるのだそうです。セミナーの中で、父兄が主催者側に質問を行いました。「そんな事を言っても、医者になるにはどのくらいの費用がかかると思っているのですか?」と、父兄側から主催者側に質問を投げかけると、主催者側から「おいくらかかるのですか?」と質問を返されてしまいました。質問をした父兄は、答える事ができなかったのでそのまま席に座ってしまいましたが、その後、主催者側のナビゲーターが、「医者になるには」どのくらいの費用がかかるのですか?と質問しても誰も答える人はいませんでした。Mもなんとなく、費用がかかるので医者は金持ちがなるものだと考えていました。幼少期に、近所の知り合いのお兄ちゃんが、医者になりましたが、費用がかかるので国立の大学を何浪もしたと町内会の噂になっていました。近所のお兄ちゃんの父親は、有名企業の部長まで上り詰めた人だったので、あんな裕福な家庭に生まれても支払ができないくらい、医学部の学費は高いものだと思いこんでいました。セミナーでは、その思い込みが子どもたちの飛躍に圧力をかけて、子どもの可能性を潰してしまうことがあるのだと知りました。たしかに、Mは、我が子が医者になるとは考えた事もなかったので、医学部に入る際の学費なども詳しくは調べた事がなかったのです。実際に子どもから、医者になりたいといった話は出た事もありませんが、こちらから、医者になりたいか?などと聞いた事もありませんでした。女優でも、俳優でも、大統領でも、子どもたちには可能性がある事を教え、その中から、自分を見極めて自分の道を選択させる事が、必要なのではないかというセミナーだったのですが・・・。Mは、なんとなく自分自身も、幼い頃から、医者なんて無理だろうという気持ちで生きてきました。それが当たり前だったのです。セミナーの帰り道、電車の中で、医者とはどのような職業であるのかを調べてみました。「医師 求人」サイトなどを開いてみると、そこには、医師の求人情報が掲載されていました。おそらく限られた人たちだけが登録できるサイトなのだろうけれど、我が子が、将来、医者になれば、この求人情報の中から職場を選ぶ事ができるようになるのだと、改めて「医師 求人」サイトを覗き込んでみると、可能性がゼロではない事を、親が思い込んでしまう事は良い事ではない気がしてきました。子どもにとって、第三者側からの「できるかも。」と「できない。」の差は大きいかもしれない・・・。と考えるキッカケになったとMは言っていました。